2015-07-13 澤穂希選手がなでしこジャパンに残した大切なこと

遅ればせながら、なでしこジャパン、ワールドカップ準優勝おめでとうございます。 毎試合1点差の接戦でハラハラドキドキして試合を観戦しました。 いまはワールドカップの余韻を楽しんでいるところで、今日、再開したなでしこリーグも観客数が大幅に増加したようですね。

いろいろと想いをめぐらせていると、やはり澤選手の偉大さにあらためて考えさせられます。 そして「澤選手がなでしこジャパンに残したもの」にはたと気づきました。 「残した」といっても澤選手が引退するわけではありませんし、個人的にはまだまだ現役を続けてほしいと思っています。

それは、なでしこジャパンが持っている「チームの団結力」だと思います。 「選手間に信頼の深さ」と言ってもいいかもしれません。 ラポールが構築されています。 象徴的なのが、安藤梢選手がケガで離脱した後のチームの一人ひとりがとった行動です。 ベンチに安藤選手のユニフォームを着せたぬいぐるみを置いたり、試合後のインタビューでも安藤選手への気持ちを言う選手がいたり、まさに代表選手がひとつになっています。

ボクのまわりでもなでしこを悪く言う人はいません。 ワールドカップから帰国したなでしこジャパンを空港で温かく迎えた多くのサポーターを見ても、彼ら彼女らが単なる勝ち負けだけをなでしこジャパン求めているのではないということがよくわかります。 なでしこジャパンの在り方そのものが魅力的になっているんです。

もちろんプロの世界は生易しいものではありません。 お互いはライバルです。 しかし、そういうことを前提として受け入れたうえで、選手がお互いをリスペクトしている。そんな感じがするんです。 これはそう簡単につくれる組織文化ではありません。

そして、その文化の醸成に貢献しているのが澤選手だと思います。 佐々木監督の指導力も大きな影響を与えていることは間違いないのですが、このような現場の選手間の信頼には現場のリーダーが大きな影響を及ぼします。 もし、澤選手が他の選手の陰口が言うリーダーだったら。 たとえば「あの娘さぁ。ちょっとウザくない?」と言ったり。 もし、澤選手が何かにつけれ自分が前へ出ようとする利己的な選手だったら。 決していまのなでしこジャパンのような組織文化は構築できていなかったと思います。

ラポールの構築は今日言って明日できるものではありません。 ひたむきに頑張る。 地道に努力する。 謙虚に振る舞う。 ひとの気持ちに配慮する。 約束は守る。できない約束はしない。 こういった時間のかかることをリーダーが地道におこなって少しずつ信頼関係がつくられていくものです。

それが今のなでしこジャパンに魅力になっている。 そしてそれを支えてきたのが最年長で最多出場を果した、前回ワールドカップのキャプテンを努めた澤選手なんだと思います。 そして、今回はそれは宮間キャプテンに引き継がれています。 今後も脈々と受け継がれていくことでしょう。 それはものすごい財産です。

なでしこジャパンの活躍からそんな事を考えました。 ではでは。