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2015-07-05 【書評】「新人ガールITIL使って業務プロセス改善します!」

本屋でなにか面白そうな本はないかと棚を見てまわっていたところ、本書の「新人ガールITIL使って業務プロセス改善します!」というタイトルに興味がわいて購入しました。 「業務プロセス改善」はなかなかの難題です。 それをITの運用マネジメントのフレームワークである「ITIL」を使って改善するという視点は新しいです。 さっそくご紹介しましょう。

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著者の「沢渡あまね」さんは「オフィスコミュニケーション改善士」として活躍されている方です。 本の装丁を見ると「もしドラ」のような印象を受けるので最初はマンガかなと思いました。 それほど見た目はライトに作られていますが、中身はしっかりとITILや業務プロセス改善について書かれています。

最近では日本のホワイトカラーの労働生産性がかなり低いということが時々メディアでも紹介されます。 労働生産性が低い原因はひとつではなく、様々な要因が影響しているのだと思いますが、ホワイトカラーの方々は、いま以上に効果的かつ効率的な業務遂行能力が求められるようになるでしょう。 「適切なコストで」「適切な労力で」そして「適切な品質で」業務をまわしていかなければなりません。 しかし、ヒトはどうしても「いまのやり方」に執着しますし、なかなか現行業務を客観視することができません。 それが「業務プロセス改善」を難しくしている要因だと思います。 そこで、「ITIL」を使うことによって、主観的に判断されがちな業務プロセス改善が客観的な視点で見ることができるようになります。 そういう意味では著者の着眼点は秀逸といえるでしょう。

目次もわかりやすい構成になっています。 ITILの5つのアプローチの流れに沿ってつくられています。

・第1章 ITILって何だろう? ・第2章 組織の目標にあった業務内容になっているか(サービスストラテジ) ・第3章 業務内容とレベルを定義しよう(サービスデザイン) ・第4章 日々の業務を安定して回すために(サービスオペレーション) ・第5章 業務の追加/変更をスムーズに(サービストランジション) ・第6章 改善は一日にしてならず(継続的サービス改善)

本書を読み終えるとITILの流れがわかります。

また、本文にも記載されていますが、このITILのプロセスをすべて行う必要はありません。 というか全部やると大変です。 様々なプロセスのなかで自身の都合にあった「いいとこ取り」をすればいいと思います。

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これ1冊で業務プロセス改善の流れ、そしてITILの内容、更に新人ガールの業務プロセス改善の奮闘記が小説仕立てで書かれているので内容はかなり網羅的です。 したがって、ITILのことはある程度知っていて、具体的な課題を持っている方には物足りなさがあると思いますが、ITILの基本を抑えたい方や全体像を把握したいという、どちらかというとITIL初心者には取っ付きやすく、とてもわかりやすい本だと思います。 まずは本書を読んで、さらにITILや業務プロセス改善に深く取り組みたいという方は専門書をあたってみてはいかがでしょうか。

ぜひオススメしたいのが、本書をまねてご自身の仕事をITILにのせて分析してみることです。 有益な仕事、無駄な業務などいろいろと新しい発見があると思います。

ではでは。