2015-06-23 マイナンバーは国民が行政を監視する制度にするんだ

国民年金機構の個人情報漏えい事件で、関係者が責任追及されています。 それをみて、いろんな組織のトップが不安になってきたんでしょう。 現場に調査を命じているようです。「ウチは大丈夫か!」って。 そしたら、堰を切ったようように「ウイルスに感染しとりました」とか「情報が漏れてました」とか、普段はウイルス感染ぐらいだとニュースバリューがないので、目もくれないマスメディアもここぞとばかりに大きく取り上げています。 するとさらに「ウチは大丈夫か病」がまん延して、ますますメデイアも加熱してきます。 国会だけでなく、各自治体の議会でも「ウチは大丈夫か病」が拡散しだしています。 確かにこういう状況になると心配になる気持ちはよくわかります。 しかし、こういう時こそ冷静に対応しましょう。

国民年金機構の情報漏えいは標的型攻撃メールだということですが、情報漏えいを引き起こす要因(リスク)はサイバー攻撃だけではありません。 内部不正行為もあれば、従業員のうっかりミスもあります。 今回の一連の事件をきっかけに改めて「情報」に対する安全管理措置を見直す機会にする必要があります。

それと最近のもうひとつの傾向は、年金機構から情報漏えいした。だからマイナンバーもダメという論調です。 確かにマイナンバーは様々な情報と紐づくキーとなるので、ほかの個人情報とは一線を画するものです。 だから「特定個人情報」と呼ばれます。

そもそもマイナンバーがなくても私たちの個人情報は常にリスクに晒されています。 例えば紙に書いた個人情報を例にします。 その紙を机に置いておく。 数時間席をはずす。 そして戻った。 個人情報が書かれた紙は机の上に置いてある。 さて、この紙を誰も見なかったとどうして言えるでしょう。 コピーされたかもしれない。 写メ撮られたかもしれない。

しかし、情報が電子化され、そのログが取られ、さらにそのログを自分自身が確認することができればどうでしょうか。 自分の情報を管理・監視することができる。 マイナンバーではこのような機能が提供される予定です。 それがマイナポータルです。

スクリーンショット 2015-06-25 19.23.47 「情報提供等記録開示システム」の概要 〜マイナンバー等分科会の資料より〜

マイナンバー制度では2017年(平成27年度)からマイナポータルが稼動します。一部の情報ではあるものの、誰が、いつ、何のために自分の情報を見たのか自分で確認することができます。 つまり、マイナンバーは国民が行政の個人情報の取り扱い状況を監視できる数少ない仕組みなんです(そうなる予定です)。 国民が声をあげて少しずつ自分の情報の取扱い状況を確認・監視できる範囲を広げていくことが自分の情報をコントロールすることになっていくと思います。 そして国任せにせず、マイナンバー制度を身のある制度にしていきましょう。

ではでは。