2016-02-15 ユニクロ社長の柳井正氏が書いた「経営者のノート」はシンプルだが実行するのたタイヘンだ!

一代でユニクロをグローバル企業へと育てあげた稀代の経営者である柳井正氏が書いた「経営者のノート」。 その考え方に触れたいと思って、この本を手にしました。 読み終えて最初に抱いた感想は「思っていたよりもはるかにシンプルだなぁ」というものでした。 そこに書かれているものは、ややもするば「当たり前のことやん」と思ってしまいそうですが、なんのなんのこの当たり前のことを徹底することがたいへんなのです。 本書のなかでも(P72)「あたり前のことを徹底して積み重ねる」ことの重要性が解説されています。 柳井さんは何と言ってもとてつもない実績があるため、その説得力は圧倒的です。

スポンサード

本書の冒頭にある「本ノートの使い方」には「このノートはこれから経営者になる人のため」と書かれています。 「なんだぁ、経営者のための本か、それなら私は経営者ではないから関係ないなぁ」と思うと、それはもったいないです。 この「経営者」といういのは広く捉えていいのでとす。 代表取締役だけが経営者ではなく、部門のトップ、飲食店の店長など特定の人の集まり(組織)を取りまとめる人は経営者です。 また今は経営者ではないけれども将来経営者になりたいという方にも読み応えある思います。 それほど書いてあることには普遍性があります。

また経営者の定義も明快です。 「経営者は成果をあげる人」。 いくら会議したってダメ、いくらイイ事を語ったってダメ、経営者は結果を出さないといけない人なんです。 気持ちイイぐらいシンプルです。

またこの成果というのはその会社がもっている使命と結びついていないといけない。 経営者は正しい儲け方をしないといけないとも書かれています。 その正しい儲け方というのは、約束したことを成果として実現させる儲け方のことです。

だから柳井さんは「実践」をとても重要視していることが本書の随所に感じられます。 経営者は単なる勉強ではダメで、勉強したことを実践してはじめて意味がある。 ここまで情報化社会が浸透すると世の中に「自分だけが考えている」ということはまずない。考えていることをきちんと実行に移せる人が少ない。 成功している会社は、やると決めたことの実行が徹底している会社ばかりです。

もうひとつしつこいぐらい出てくることは「お客さんのために」という視点。 自分なりの基準が通じなくなってきており、お客さんの基準で考えないといけないのです。 これも言うは易し、行うは難しです。 どれもこれも一見簡単そうに感じますが、お客さんの目線で考え、実際に行動に移して成果を残している経営者は少ないのでしょう。 だから柳井さんが際立っているだと思います。

本書のの構成は経営者に必要な「4つの力」を解説する流れで書かれています。 「4つの力」というのは、変革する力、儲ける力、チームを作る力、理想を追求する力の4つです。

IMG_8676▲ページのまわりに書き込みスペースがあり、いろいろとメモを書き込むことができます。

またこの本のなかで何度かハロルド・ジェニー著「プロフェッショナルマネジャー」が出てくるので、近いうちに読んでみようと思いました。

Information

著 者:柳井正 発行者:小林成彦 発行所:株式会社PHP研究所 目 次: ・第一項 「経営者とは」 ・第二項 経営者に必要な四つの力 ・第三項 なぜ経営者の育成が必要か