2015-10-01 読みやすい!村上春樹著「職業としての小説家」がたまらなく面白い!

いま(平成27年10月1日現在)書店に行くとほぼ間違いなく平積みされている本があります。 それは村上春樹の「職業としての小説家」というタイトルのエッセイ本です。

文字通り村上春樹は小説家です。その小説家としての自身が小説をどのようにして書いてきたかということが赤裸々紹介されています。

早く読み終わるのがもったいないので、ゆっくりゆっくり味わうように、そして同じ章を何度も読み返しながら読み進めています。

なのでまだ完読していませんが、その面白さを少しでもお裾分けしたくて、ご紹介させていただきます。

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★★★

読みはじめた率直な印象としては「えっ、村上春樹ってこんなことまでオープンする人だったけ」というほど、小説家としての現場に踏み込んだ内容になっています。

村上春樹の小説を読んでいる人は、その創作の裏側を垣間みれるので、読んでいない方に比べると楽しさ倍増だと思います(もちろん読んでいない方も充分楽しめる内容です)。

ボクはハルキニストではありませんが、村上春樹の小説はほとんど読んでいます。 なので、この本を読むと、「へぇ〜あの小説をそういうテクニックが使われていたのか」という気持ちになり、過去に読んだ小説を再度読みたくなります。

それともうひとつの本書の特長は、ものすごく読みやすいということです。

何度くらい書き直すのか? そう言われても正確な回数まではわかりません。原稿の段階でもう数え切れないくらい書き直しますし、出版社に渡してゲラになってからも、相手がうんざりするくらい何度もゲラを出してもらいます。

このように、村上春樹の創作スタイルは何度も何度も何度も文章を読んでは修正するということを繰り返すようです。 だから文章の流れが非常に自然で読みやすい。 「あぁこのような文書が書けたら」と無いものねだりをしてしまいます。

村上春樹のファンだけではなく、小説家を目指す方や文書を綴ることを生業としてい方にはとても参考になる本だと思います。

Information

著 者:村上春樹 発行者:新井敏記 発行所:株式会社スイッチ・パブリッシング 目 次 ・第1回 小説家は寛容な人種なのか? ・第2回 小説家になった頃 ・第3回 文学賞について ・第4回 オリジナリティーについて ・第5回 さて、何を書けばいいのか? ・第6回 時間を味方につけるー長編小説を書くこと ・第7回 どこまでも個人的でフィジカルな営み ・第8回 学校について ・第9回 どんな人物を登場させようか? ・第10回 誰のために書くのか? ・第11回 海外に出て行く。新しいフロンティア ・第12回 物語のあるところ・河合隼雄先生の思い出

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